高断熱の家は光熱費がいくら変わる?
徳島の電気代で試算しました
徳島で注文住宅をご検討中の皆さま、こんにちは。チケンホームです。
「断熱性能を上げると光熱費が下がる」とはよく言われますが、では実際いくら下がるのかまで説明されることは少ないように思います。
今回は、公表されているデータを使って、できるだけ具体的に試算してみます。
徳島県の1世帯あたり電気代は月13,544円。断熱等級を4から6に上げると、暖房の省エネ効果は約55%とされています。
この記事で分かること
- ・徳島の電気代は全国と比べてどうなのか
- ・断熱等級を上げると光熱費がどれだけ減るのか
- ・四国電力の料金単価をもとにした試算
- ・初期費用と光熱費、どう考えるべきか
徳島の電気代は、全国平均より高めです
まず現状を確認します。家計調査をもとにした都道府県別のデータでは、徳島県の1世帯あたりの電気代は次のとおりです。
| 月平均の電気代 | |
|---|---|
| 徳島県 | 13,544円 |
| 四国平均 | 13,738円 |
| 全国平均 | 12,804円 |
(2025年6月〜2026年5月の12か月平均)
徳島は全国平均より約6%高い水準です。温暖なイメージがありますが、電気代は決して安くありません。
参考までに、総務省の家計調査(2025年平均・二人以上世帯)では、光熱・水道費が月24,547円、うち電気代が13,219円となっています。年間にすると電気代だけで約16万円、光熱水道全体では約29万円です。
四国電力の料金単価を確認します
試算の前提として、四国電力の従量電灯Aの料金単価を確認します(燃料費調整前・税込)。
| 使用量 | 単価 |
|---|---|
| 最低料金(11kWhまで) | 666.89円 |
| 11〜120kWh | 30.65円/kWh |
| 120〜300kWh | 37.27円/kWh |
| 300kWh超 | 40.78円/kWh |
ここに燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金が加算されます。
注目すべきは、使えば使うほど単価が上がるという点です。300kWhを超えると40.78円になります。冬に暖房を多く使う家庭ほど、高い単価の領域で電気を消費することになります。
つまり、暖房の使用量を減らすことは、単価の高い部分から削ることを意味します。
断熱等級を上げると、どれだけ減るのか
国土交通省が令和7年3月に公表した『省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド』に、断熱等級ごとの暖房の省エネ効果が示されています。
6地域(徳島市が該当)で部分間欠暖房をした場合、断熱等級4を基準とした暖房エネルギーの削減率です。
| 断熱等級 | UA値 | 暖房の省エネ効果 | 最低室温の目安 |
|---|---|---|---|
| 等級4 | 0.87 | 基準 | 約8℃ |
| 等級6 | 0.46 | 約55%削減 | 約13℃ |
| 等級7 | 0.26 | 約75%削減 | 約15℃ |
等級4から等級6に上げると、暖房にかかるエネルギーが半分以下になるということです。
※等級5単独の削減率は、この資料には記載がありません。
徳島の数字で試算してみます
ここからは概算です。前提を明示しておきます。
前提
– 徳島県の平均的な電気代:月13,544円(年間162,528円)
– 暖房・冷房が電気代に占める割合を仮に3割とする(暖房2割・冷房1割)
– 断熱等級4の家を基準とする
暖房費だけを見た場合
年間の電気代162,528円のうち、暖房が2割とすると約32,500円です。
等級6にすることで暖房エネルギーが約55%削減されるとすれば、
32,500円 × 55% = 約17,900円/年の削減
30年間では約53万円になります。
冷房も含めて考えると
断熱は夏にも効きます。冷房分(年間約16,200円)にも同程度の効果があると仮定すると、
(32,500円 + 16,200円)× 55% = 約26,800円/年
30年間で約80万円
この試算の限界
正直にお伝えしますが、これはあくまで概算です。
- ・冷暖房が電気代に占める割合は、家族構成・在宅時間・機器の効率で大きく変わります
- ・実際の削減率は、間取り・窓の面積・暮らし方で変動します
- ・電気料金の単価は今後も変わります(上がる可能性のほうが高いと見られています)
「断熱等級を上げれば30年で80万円得します」と断言する情報には、注意してください。 どの家にも当てはまる数字ではありません。
ここでお伝えしたいのは金額の正確さではなく、桁感です。数万円ではなく、数十万円規模の話になるということです。
光熱費だけで判断すべきではない理由
上の試算だけを見ると、「30年で80万円なら、初期費用が100万円上がるなら損では」と考えるかもしれません。
ただ、断熱性能の価値は光熱費だけではありません。
1. 室温そのものが変わる
等級4の家は室温が約8度まで下がりますが、等級6なら約13度です。5度の差は、暮らしの質として大きな違いです。
2. 健康への影響
国土交通省の調査では、室温18度未満の住宅は心電図の異常所見が約1.9倍という結果が出ています。断熱改修後には起床時の最高血圧が平均3.5mmHg低下したというデータもあります。
3. 補助金の対象になる
みらいエコ住宅2026事業では、GX志向型住宅なら徳島で110万円、長期優良住宅なら75万円が補助されます(2026年度)。性能を上げること自体が、初期費用の一部を相殺します。
4. 将来の基準に耐える
国は2030年度以降、ZEH水準(等級5)を最低基準にする方針です。2027年4月からは断熱等級6以上を要件とする制度も始まる予定です。
今建てる家が、10年後に「基準以下の家」にならないか。 資産価値の観点では無視できません。
5. 電気料金は今後も上がる可能性がある
過去10年、電気料金は上昇傾向にあります。今の単価で計算した削減額は、将来は今より大きくなる可能性があります。
太陽光と蓄電池を組み合わせると
断熱で使うエネルギーを減らしたうえで、太陽光発電で自家消費すれば、光熱費はさらに下がります。
考え方の順番は、こうです。
順番が大事です。 断熱が不十分な家に大量の太陽光を載せても、電気を垂れ流しながら発電しているのと同じです。まず穴を塞いでから、と考えるほうが合理的です。
蓄電池やV2H(電気自動車と住宅の電力をやりとりする仕組み)を組み合わせれば、停電時の備えにもなります。

ZEHの考え方についてはZEH住宅って必要?もご覧ください。
よくある質問
Q. オール電化とガス併用、どちらが光熱費は安いですか?
A. 家族構成と使い方によります。オール電化は深夜電力を活用できるプランがある一方、日中に在宅が多い家庭では不利になることもあります。契約プランまで含めて比較しないと判断できません。
Q. 断熱にかけた費用は何年で回収できますか?
A. 「回収」という考え方はおすすめしません。断熱は光熱費だけでなく、室温・健康・資産価値にも関わるためです。光熱費だけで回収年数を計算すると、他の価値がすべて無視されてしまいます。
Q. 高断熱だと夏は暑くなりませんか?
A. なりません。断熱は熱の出入りを防ぐので、夏は外の熱が入りにくくなります。ただし窓から入る日射のコントロール(軒の出、庇、Low-Eガラス)は別に必要です。ここを設計しないと、冬に暖かく夏に暑い家になります。
Q. 光熱費のシミュレーションはしてもらえますか?
A. 承ります。プランと仕様が固まってくると、間取りと設備に基づいた試算が可能になります。ご家族の生活パターンをお聞かせいただければ、より実態に近い形でお出しできます。
Q. 徳島は温暖なのに、なぜ電気代が全国平均より高いのですか?
A. 電気料金の単価は電力会社ごとに異なり、四国電力エリアの単価は全国的に見て低いほうではありません。また、住宅の断熱性能が全国的に低い地域ほど、冷暖房の使用量が多くなる傾向もあります。
寒さ対策と、性能全体の考え方
光熱費は断熱性能の結果です。徳島の冬をどう乗り切るかは徳島の冬は家が寒い?、性能表示の読み方は住宅性能って何を見ればいい?で解説しています。費用と流れを含めた全体像は徳島で注文住宅を建てるなら|費用・流れ・会社選びの総まとめをご覧ください。
性能と費用のバランスをご相談ください
チケンホームは断熱等性能等級6以上に対応した住まいづくりに取り組んでいます。
構造には2×4・2×6のツーバイ工法を推奨しています。2×6材は2×4材の1.6倍の壁厚があり、断熱材を厚く入れられます。専用パネルは1999年に設立した自社工場で生産しているため、性能を確保しながら費用を抑えることができます。
太陽光発電に加え、蓄電池やV2Hを含めたご提案にも対応しています。
「どこまで性能を上げるべきか」は、ご予算と暮らし方次第です。数字を並べたうえで一緒に考えるのが、いちばん納得のいく決め方だと考えています。
実際の建築事例も見る
チケンホームでは、徳島・香川の気候や暮らし方に合わせた住まいづくりを行っています。
実際の建築事例もぜひご覧ください。
まとめ
- ・徳島県の電気代は月13,544円で、全国平均より約6%高い
- ・四国電力は300kWhを超えると40.78円/kWh。使うほど単価が上がる
- ・断熱等級4→6で、暖房の省エネ効果は約55%(国土交通省の設計ガイド)
- ・徳島の平均的な電気代から試算すると、冷暖房費で年間2〜3万円、30年で数十万円規模
- ・ただし前提次第で変わる概算。断言する情報には注意
- ・光熱費だけでなく、室温・健康・補助金・将来の基準まで含めて判断する
- ・順番は「断熱 → 省エネ設備 → 太陽光」
光熱費は毎月出ていくものです。30年分を並べて考えると、判断が変わることがあります。

この記事の監修者
株式会社地建 代表取締役 阿部 美樹生
二級建築士・宅地建物取引士・既存住宅状況調査技術者


コメント