徳島の冬は家が寒い?
気象庁データで見る寒さ対策と断熱等級の目安
徳島で注文住宅をご検討中の皆さま、こんにちは。チケンホームです。
「徳島は温暖だから、そこまで断熱にお金をかけなくてもいいのでは」というお声をいただくことがあります。
その感覚は理解できます。ただ、数字を見ると少し話が変わります。
徳島の1月の平均気温は6.3度、朝の最低気温は2.9度です。無断熱の家では健康リスクの基準とされる室温18度を下回ります。
この記事で分かること
- ・徳島の冬の気温(気象庁の平年値)
- ・断熱等級と室温の関係
- ・室温と健康の関係(国土交通省の調査データ)
- ・断熱と気密、どちらを優先すべきか
徳島の冬は、実際どれくらい寒いのか
まず事実を確認します。気象庁が公表している徳島の平年値(1991〜2020年)です。
| 月 | 平均気温 | 日最低気温の平均 |
|---|---|---|
| 12月 | 8.7℃ | 5.2℃ |
| 1月 | 6.3℃ | 2.9℃ |
| 2月 | 6.8℃ | 3.1℃ |
1月の朝の平均は2.9度です。 これは「平均」なので、冷え込んだ日は氷点下になります。
北海道や東北に比べれば確かに温暖です。ただし、問題は外の気温ではなく、家の中の温度です。
断熱等級で、家の中の温度はこう変わる
国土交通省が令和7年に公表した『省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド』に、断熱等級ごとの室温の目安が示されています。
6地域(徳島市はここに該当します)で、リビングだけを暖める「部分間欠暖房」をした場合の家の中の最低室温です。
| 断熱等級 | UA値 | 最低室温の目安 | 暖房の省エネ効果 |
|---|---|---|---|
| 等級4 | 0.87 | 約8℃ | 基準 |
| 等級6 | 0.46 | 約13℃ | 約55%削減 |
| 等級7 | 0.26 | 約15℃ | 約75%削減 |
ここで注目していただきたいのは、等級4でも家の中が8度まで下がるという点です。
等級4は、2025年4月から新築住宅に義務づけられた基準です。つまり今建てられるすべての新築が満たしている「最低ライン」であり、それでも家の中は8度になり得るということです。
室温18度に、健康上の意味があります
なぜ室温の数字にこだわるのか。国土交通省の「スマートウェルネス住宅等推進事業」という調査で、室温と健康の関係が数値で示されているためです。
血圧への影響
室温が20度から10度に下がったとき、最高血圧がどれだけ上がるかを年齢・性別ごとに調べたデータです。
| 対象 | 最高血圧の上昇 |
|---|---|
| 80歳 女性 | +11.6 mmHg |
| 80歳 男性 | +10.2 mmHg |
| 60歳 女性 | +7.4 mmHg |
| 30歳 女性 | +5.3 mmHg |
年齢が上がるほど、寒さの影響を強く受けます。 そして家は、自分が年を取ってからも住み続ける場所です。
室温と疾患の関係
同じ調査から、こういう数字も出ています。
- ・床の近くの室温が15度未満の住宅では、15度以上の住宅と比べて高血圧での通院者が約1.5倍、糖尿病での通院者が約1.6倍
- ・室温18度未満の住宅では、18度以上と比べて心電図の異常所見が約1.9倍、総コレステロール高値が約2.6倍
- ・居間や脱衣所が18度未満だと、42度以上の熱いお湯につかる割合が約1.8倍(浴室での事故リスクが高まる入り方です)
断熱改修すると、どうなったか
同じ調査で、断熱改修の前後を比較した結果です。
- ・起床時の最高血圧が平均3.5mmHg低下
- ・在宅での活動時間が男性で1日34.7分、女性で33.9分増加
家の中が暖かいと、動く時間が30分以上増える。 これは体感としても納得できる結果ではないでしょうか。
つまり、徳島でも断熱は必要です
ここまでの数字をつなげると、こうなります。
「徳島は暖かいから断熱は不要」とは、数値上言えません。
むしろ温暖な地域だからこそ、これまで断熱が軽視されてきた面があります。北海道の家より、四国の家のほうが冬に寒いという逆転現象は、実際に起きています。
徳島の気候全般については徳島の気候に合う注文住宅とは?もご覧ください。
断熱と気密は、セットで考えます
断熱の話をすると必ず出てくるのが「気密」です。この2つは役割が違います。
- ・断熱=壁や窓を通して熱が伝わるのを防ぐ(UA値で表す)
- ・気密=家の隙間から空気が出入りするのを防ぐ(C値で表す)
いくら分厚い断熱材を入れても、隙間だらけなら暖めた空気は逃げていきます。セーターを着ていても、前を開けていたら寒いのと同じです。
C値には法的な基準がありません
ここは知っておいていただきたい点です。
かつての次世代省エネ基準にはC値の規定がありましたが、2009年に削除され、現在の省エネ基準にも住宅性能表示制度にも気密の基準はありません。
実務では「C値1.0以下なら高気密」「0.5以下なら上位」といった目安が使われますが、これは公的な根拠のある数値ではなく、業界の慣行です。
だからこそ、住宅会社に聞くべきなのは次の2つです。
- ・気密測定を実施していますか
- ・実測のC値はどれくらいですか
測定していない会社は、自社の気密性能を把握していないことになります。数値そのものより、測っているかどうかが判断材料になります。
徳島で実際にできる寒さ対策
新築で検討できる対策を、効果の大きい順に挙げます。
1. 窓の性能を上げる
熱が最も出入りするのは窓です。 壁の断熱材を厚くするより、窓を良くするほうが費用対効果が高いことが多くあります。
- ・サッシ:アルミ → アルミ樹脂複合 → 樹脂
- ・ガラス:ペア → Low-Eペア → トリプル
2. 断熱等級を上げる
前述のとおり、等級4から等級6に上げると暖房の省エネ効果は約55%、最低室温は8度から13度に上がります。
3. 気密を確保する
施工の丁寧さで決まる部分です。面で構成する工法は、線で構成する軸組工法に比べて隙間ができにくいという特性があります。
4. 部屋間の温度差をなくす
リビングだけ暖める「部分間欠暖房」は、廊下や洗面所との温度差を生みます。断熱性能が上がると、家全体を緩やかに暖める使い方が現実的になります。
5. 脱衣所と浴室を暖める
事故が起きやすいのは、リビングではなく脱衣所と浴室です。ここの温度を確保することは、優先度が高い対策です。
よくある質問
Q. 断熱等級はいくつを目指せばいいですか?
A. 国は2030年度以降にZEH水準(等級5)への引き上げを予定しており、2027年4月からは断熱等級6以上を要件とする制度も始まる予定です。今から建てる家が10年後に基準以下にならないことを考えると、等級6が一つの目安になります。
Q. 断熱性能を上げると、いくら高くなりますか?
A. 会社や仕様によって幅がありますが、等級を上げるほど窓と断熱材の費用が増えます。ただし補助金の対象になる場合があり、光熱費でも回収されるため、初期費用だけで判断しないほうが合理的です。
Q. 夏の暑さにも効きますか?
A. 効きます。断熱は熱の出入りを防ぐものなので、冬は熱を逃さず、夏は熱を入れません。ただし夏は日射のコントロール(軒の出、庇、Low-Eガラスの種類)も重要になります。
Q. C値はどれくらいあればいいですか?
A. 法的基準がないため「これ以上なら安心」という公的なラインはありません。実務では1.0以下が一つの目安とされます。ただし数値以上に、実際に測定しているかどうかを確認することをおすすめします。
Q. 断熱性能が高いと、結露しにくくなりますか?
A. 結露は表面温度と湿度の関係で起きます。断熱性能が上がると窓や壁の表面温度が下がりにくくなるため、結露は起きにくくなります。ただし換気が不十分だと湿度が上がるため、断熱・気密・換気はセットで考える必要があります。
性能をどう選ぶか、全体から考える
断熱は住宅性能の一部です。数値の読み方は住宅性能って何を見ればいい?、光熱費への影響は高断熱の家は光熱費がいくら変わる?10月23日 公開予定、耐震との関係は耐震性能はどれくらい必要?で解説しています。家づくり全体は徳島で注文住宅を建てるなら|費用・流れ・会社選びの総まとめをご覧ください。
性能のご相談もお気軽に
チケンホームは断熱等性能等級6以上に対応した住まいづくりに取り組んでいます。
構造には、面で支える2×4・2×6のツーバイ工法を推奨しています。2×6材は2×4材の1.6倍の壁厚があり、そのぶん断熱材を厚く入れられます。冬の寒さが厳しい地域でも採用されている工法です。
太陽光発電・蓄電池・V2Hを組み合わせたご提案にも対応しています。
「等級をどこまで上げるべきか分からない」という段階でも構いません。予算とのバランスも含めてご相談ください。
実際の建築事例も見る
チケンホームでは、徳島・香川の気候や暮らし方に合わせた住まいづくりを行っています。
実際の建築事例もぜひご覧ください。
まとめ
- ・徳島の1月は平均6.3度、朝の最低気温の平均は2.9度(気象庁 平年値)
- ・断熱等級4(2025年からの最低基準)でも、家の中は約8度まで下がる
- ・室温18度未満は心電図異常が約1.9倍など、健康リスクと関連する(国土交通省調査)
- ・断熱等級6にすると最低室温は約13度、暖房の省エネ効果は約55%
- ・C値には法的基準がない。 測定しているかどうかを住宅会社に確認する
- ・効果が大きい順に、窓 → 断熱等級 → 気密 → 温度差の解消
温暖な地域だからこそ、断熱が後回しにされてきました。数字で見ると、徳島でも対策する理由は十分にあります。

この記事の監修者
株式会社地建 代表取締役 阿部 美樹生
二級建築士・宅地建物取引士・既存住宅状況調査技術者


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